「高齢化しない街」として有名な千葉県のユーカリが丘の街。
千葉県の北部、成田空港に近い佐倉市にある。
世帯数は6,000戸、人口は16,000人あまりだ。
ここは、従業員110人ほどの不動産会社、山万株式会社が40年前から開発しているニュータウンだ。
山万は、街をつくり、自ら鉄道(新交通システム)を引き、商業施設、保育所、老人保健施設、映画館、ホテルを建設し運営している。
普通のニュータウンでは、開発会社は、家を分譲し、売りきったら撤退してしまう。
このため、街の世帯が同じような年齢構成になってしまう。
若い時はいいのだが、高齢化すると、街に若い世代がいなくなってしまう…。
これが全国の(かつての)「ニュータウン」の現状だ。
ユーカリが丘では、長期的な街づくりを前提とした「成長管理型」の開発が行われいる。
毎年の分譲件数を一定に決めて、継続的に若い世代を入居させることで、街全体が高齢化しないようにしている。
また、子育てが終わった世代には、コンパクトなマンションを提供し、残った一軒家は、リニューアルして、子育て世代に提供するようなしくみを作っている。
都市機能のハード面とソフト面をすべて山万とグループ会社が担い、行政は関与していない。
こうした取り組みに対して、「建設大臣賞」、「日本都市計画学会賞」、「日本不動産学会賞」等、たくさんの賞が与えられて評価も非常に高い。
もともとは、大阪の繊維卸売業であった山万。
不動産業を始めたのは、東京へ移転したのちの昭和40年代からだ。
山万の嶋田 哲夫社長の経営理念は、「一人ひとりの幸せ作り」だ。
「一人ひとりの幸せな生活のために」という理念を言葉だけではなく着実に実践していることが、
多くの人に喜びと安心を与える大事業として発展しているのであろう。