やる気を高める報酬・・・「トーナメント理論」

昨日から夏の高校野球が始まった。
高校野球では、サッカーの予選のように「勝ち点」の合計を競うものではない。

1試合、1試合の勝ち抜き、トーナメント制だ。
どんなに強いチームでも、その1試合に負ければ敗退だ。

その先の栄冠。
全国でたった一校しか手に取れない優勝旗は、それだけ一層価値を持つ。

人事経済学という学問が急速に発達してきている。
人事制度について、経済学的分析を加えていくものだ。
そこに「トーナメント理論」がある。

組織において、昇進して給与が上がることは、生産性を高める。
一番高い地位である社長の報酬は、高校野球の優勝旗だ。
トップである社長が高い給与を得ているということが、全員の励みになるのだ。

この理論によると、
社長が、「私が、そんなにもらっては申し訳ない」、
「私は、そんなに報酬は必要ない」と言って、
高額な報酬を取らないということは、組織全体のやる気、生産性を阻害することにつながる。

役員の報酬を設計する際の考慮すべきポイントでもある。

 

 

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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