コトラー「セグメンテーションの盲点」

セグメンテーションということで、顧客を細分化する。
細分化していくと、個別の顧客になり、顧客に合わせたカスタマイズになる。

利益の一般原則として、「規模の利益」と「範囲の利益」などがある。
行き過ぎたセグメンテーションは、「規模の利益」を失うことにつながることが多い。

こうした「セグメンテーションの盲点」を回避する方法があるだろうか?

セグメンテーションのもととなる顧客そのものを変えることができる。
昨日の日経MJ紙には、面白い例が紹介されていた。

指輪などのアクセサリーの店。
女性客の好みに合わせるのは、なかなか難しい。

ある店では、男性客の問い合わせが少し多くなっていることに気づいた。
贈り物などを検討する問い合わせだ。

男性客への対応を意識すると、問い合わせは、ますます増えてきた。
思い切って、男性客中心の店に変えてしまった。

遠方からの来店客もあり、また高額品を購入する客も多く、商売は順調のようだ。

顧客のセグメンテーションも基本だが、セグメンテーションのもととなる顧客を変えるということも案外大きなチャンスを生む場合がある。

商品の利用者、購入者、影響者など、販売の側の思い込みを捨てて、別の対象者を顧客と想定して、うまくいく場合もある。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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