三菱電機は、電機メーカーとして、日立製作所、東芝に次ぐ業界三位の売上高だ。
以前は、半導体事業で大赤字を出すなど不安定な事業構造だった。
しかし、この十数年来、事業構造の変革を行い、財務体質も強化してきた。
半導体事業を本体から切り離し、パソコン、洗濯機、携帯電話事業から撤退し、
より安定的な収益が見込める企業向けビジネスに経営資源を集中してきた。
現在では、エレベーターなどの昇降機、工場の作業を自動化するFA(ファクトリー・オートメーション)の分野で強みを発揮している。
海外売上比率は、5割を超える東芝に比べると少なく4割程度だ。
山西社長が、今後の海外戦略の「カギ」としているのが、「ダブルブランド戦略」だ(日経新聞)。
沿岸部で人件費の上昇が続いている中国。
この中国の昇降機市場で成功しているのが、「ダブルブランド戦略」だ。
高級機は、三菱ブランドで売る。
一方、普及機は、現地の提携先企業のブランドで売る。
二つのブランドで市場のシェアを高めるという戦略だ。
今後の海外戦略は、この「ダブルブランド戦略」をベースに「地産地消」を目指す。
タイで作って、周辺国へ輸出する。
メキシコで作り、周辺国へ。
トルコで作って、中東やアフリカへ。
三菱電機の海外事業は、今後も成長が期待できそうだ…。