「部下が上司の言うことを聞かない理由」…バーナードの権限受容説

組織において、権限を伴わない責任はない。

上司は、部下に指示する権限がある。

この上司の権限は、その上の上司から与えられたものであり、さかのぼれば社長から与えらている。

社長は、取締役会から、取締役会は、株主からと考えるのが普通だ。

近代的組織論の父であるチェスター・バーナードの考えは180度異なる。

「上司の権限は、部下が受け入れるときに発生する」という。

権限は、上の人ではなく、下の人が決めるのである。

部下は、次のようなとき、上司の命令を聞かない。

上司の権限を否定する。

1.上司の命令が、組織の目的と一致しないと部下が考えた場合

2.上司の命令が、部下の個人的な利害と矛盾する場合

3.上司の言っている意味が、よくわからない場合

など

したがって、上司は、

①命令の内容を組織の目的とよく関連付け

②部下の個人的な利害を理解しながら説得し、

③よくわかるように丁寧に説明する

ことが必要だ。

部下とは、実は、自分に権限を与えてくれるボスでもある…

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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