イタリア料理 「サイゼリア」の母…

有名な「孟母三遷」の教え。

孟子の母親は、孟子のために良い教育環境を求めて、三度住まいを変えた。

しかし、「サイゼリア」の母は、「決して動くな」と言った・・・。

サイゼリアを学生時代に創業した正垣会長。

千葉の青果店の二階の人目につきにくい場所。

ここで、仲間と店を始めたが、客は、まったく来ない。

開店時間を長くすれば客は来るだろうと、明け方まで店を開いていた。

しかし、いつの間にか「ならず者」のたまり場になってしまった。

その上、客同士の喧嘩で、石油ストーブが倒れ、火事になった。

開店から七ヶ月目のことだった。

もう店はやめよう。

やるとしても別の場所で、と思った正垣さんだが・・・。

相談した母親は、別のことを言った。

「あの(焼けた)場所は、あなたにとって最高の場所だから、もう一度同じところで頑張りなさい」

「お客様が来ないことを立地のせいにしないで、お客様が来てくれるようにひたむきに努力することが最高の経験になると、母は教えてくれた」(正垣康彦著「おいしいから売れるのではない…」より)。

この場所で店を再開した正垣氏。

どうしても客が来ないので、メニューの価格をどんどん下げていった。

すると、ある日、お客様がずらっと並び始めた…。

「サイゼリア」1号店のこの場所(千葉県市川市)に、今、店はない。

しかし、「悪い立地でも繁盛店は作れる」ことを示す場所として、地元の経営者たちがセミナーなどで利用しているという。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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