「永続する組織の条件を宗教に学ぶ」-熊谷正寿GMOインターネット会長

インターネットが始まって間もない1999年に独立系ネットベンチャーの先駆けとして、株式公開を果たしたGMOインターネット。

今では、子会社を5社上場させ、グループ従業員も2000人、サーバー事業などで国内最大級のインターネット企業グループとなっている。

GMOを創業した熊谷氏が、浮沈の激しいインターネット業界で、「永続する組織の条件」を語っているのが面白かった(「日経ビジネスオンライン」インタビューより)。

熊谷氏は、会社という組織よりもキリスト教や仏教などの宗教(団体)の方が、長く続いていることに気づき、これらの宗教を研究して、5つの共通項を見つけた。

1.同じものを読んだり歌ったりする(お経や賛美歌など)。

2.定期的に一つの場所に集まる(メッカなどの聖地)。

3.同じ形をとる(手を合わせる形など)。

4.同じものを身につける(キリスト教なら十字架、仏教だと数珠など)。

5.みんなが強く信じている「神話」がある(キリストの受難、釈迦の悟りなど)。

熊谷氏は、「この5つを組織に導入したら、組織は自ら語り出して強くなっていくのではないか」と思ったという。

1の聖典(のようなもの)として、「幸せとは?」「成功とは?」といった内容が書かれている「スピリットベンチャー宣言」を制定。

5番目の「神話」とは、自分自身の「21歳の時に立てた『35歳までに上場する』という計画が、40日後れで実現できたこと」だという。

パナソニック(松下電器)を創業した松下幸之助氏も宗教団体での人々の嬉々とした動きに感銘を受け、人の生きがい、働き、組織のあり方を深く考えた。

世界最大にして最強の組織は、カトリック教会であるという説もある。

宗教は、強力な力を持っている。

この力は、良い力にも、また(オウムの事件のような)恐ろしい力にもなってしまう。

しかし、永続する組織づくりを考えるという点では、宗教団体のあり方というものは、参考になる面が多い。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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