起業家の目・・・「駐車禁止」の看板を売る

1970年代の始め。

子供が3人もいて、給料だけでは食べられない、「社長になりたい」と、ととりあえず会社を作った西川さん。さて何をしようかとフラフラと街を歩いた。

ある商店のシャッターに貼ってあった汚い手書きの「駐車お断り」という貼り紙を見た。

普通の人は、「汚い字だな」などと思って通り過ぎる・・・。

しかし、起業家の西川さんは次のように考えた。

1.「ここに貼り紙をしないといけないくらい車が停まるのか!」

              ↓

2.「困っているのは、この商店だけではないのでは?」

              ↓

3.「駐車禁止」の看板を売れば、かなり売れるのでは?

 結果=「駐車禁止」の看板は、飛ぶように売れた。

その頃、ちょうど自動車が一挙に普及する時代だった。

西川さんの会社は、自動車そのものではなく「駐車」というものをビジネスにした。
看板販売から「パーキングメーター」販売、さらに時間貸駐車場「タイムズ」の展開へ。

現在の「パーク24」という会社だ(現在の社長は二代目)。

今日もどこかで、形を変えた「駐車禁止」の看板の需要が生まれている。

それを見つけるのが起業家というものだろう・・・。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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