ワールドカフェとは、カフェのようなリラックスした状態で、多人数が話し合う手法だ。
ワールドカフェの他にない不思議なところは、例えば300人という人数でも、僅かな時間(1.5~3時間)で、
参加者が満足感を得るほど対話できるところだ。
「たくさん話した」
「たくさん聞いた」とう満足感。
そして300人全体の一体感も生まれる。
私も2年前、2009年の秋に、経済産業省関連の仕事で、一般参加者を含めて350人のワールドカフェを実施した。
そのころの日本最大級の参加人数であったと思う。
「俺の話を聞け 二分だけでもいい。」という歌がクレージーケンバンドにあった」。
ワールドカフェを実施すると、人は、どれだけ人に「聞いてもらいたい」のかを痛切に感じる。
ワールドカフェには、そのためのちょっとしたしかけがある。
アメリカインディアンの話し合いの智慧から学んだという「トーキングオブジェクト」だ。
手の中に納まる小物ならなんでもいい。
このオブジェクトを持っている人しか話せない、話したい人は、それを譲ってもらう、というルールだ。
環境の変化の激しい時代、一人ひとりの判断では心もとない。
組織やコミュニティの一人ひとりが、何を感じ、どう考え、どうしたいのか。
それぞれの思いを交換する場となるワールドカフェは、ますます広がりそうだ。