ピーター・ドラッカー「経営者にとっての最も重要な質問」 その3
「価値は何か?」
「顧客にとっての価値は何か?」
「価値」とは、客観的なものではなく主観的なものだ。
ある人にとっては「良い」ものも、他の人には「良くない」ものと判断される。
だから、
「誰にとっての」
「価値なのか」を、
あらかじめ決めておかなければならない。
そのために、「最も重要な質問 その2」で、「顧客は誰か?」が問われていた。
顧客の定義によって、価値も変わる。
企業が提供する商品やサービスを顧客が「価値あるもの」と見てくれるかどうか。
これが、企業の盛衰を決める。
「顧客にとって価値は何か?」という質問に答えるためには、
顧客のニーズ、ウオンツ、欲求、夢、状況、前提となる価値観、
こうしたものを知らなければならない。
どれだけ相手を知ることができるか。
「愛する」」ほどに知ることが必要だ。
「質問 その3」こそが、最も中核的な質問であるが、
「最も問われることがない質問である」とドラッカーは言っている。
また、例え問われたとしても、
ほとんどの場合、
「顧客にとって価値あること」ではなく、
「企業にとって価値あること」を答えてしまうことになる。
正しく顧客を定義して(質問2に答え)、
「顧客にとって価値あること」をつかんだ(質問3に答えることができた)人だけが、
ビジネスを成功させることができるということになる。