中小企業を不良債権化から救う「実抜(ジツバツ)計画」とは?

「実」「抜」とは、

「実現可能」の「実」、

「抜本的」の「抜」だ。

金融界で使われる用語だ。

中小企業は、2008年9月のリーマンショックで大きな影響を受けていた。

売上高が半減したというところも多かった。

さらに昨年から大震災、タイの洪水、円高の影響もあって業況が芳しくないところが多い。

2009年秋に成立した「平成の徳政令」と言われた「金融円滑化法」。

期限を定めた時限立法。

最延長された期限は、今年の3月だった。

しかし、昨年の暮れに、2012年の4月から1年間の「再々延長」が、突然決まった。

この法律は、金融機関から融資を受けた債務の返済条件を変更して、一時的に利子支払いだけにするとか、金利を変えずに返済額を引き下げるなどの内容だ。

中小企業の4割近くが金融機関に返済条件の変更を申請しているとみられている。

今後、これらの企業は、金融機関に早めに「実抜計画」=「実現可能で」「抜本的な」「事業再建計画」を出せば、金融機関から「不良債権」とはみなされない(零細企業では、やや緩い「合現計画」=「合理的」で「実現可能な」「事業再建計画」)。

提出しないと「不良債権」に分類されてしまう。

「実現可能」とは、「甘い見通し」ではなく、「堅い見積もり」を意味する。

事業面での思い切った見直しの意思を計画にして実行していくことが必要だ。

「ジツバツ」という言葉は、当分の間、中小企業の経営者を悩ませる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

目次