「利益の創造」よりも「顧客の創造」…コトラーとドラッカー

日経新聞の「私の履歴書」欄。
今月は、フィリップ・コトラーだ。

この数日は、ピーター・ドラッカーとの出会いについて触れていて興味深い。

「マーケティング」の分野においても、ドラッカーがいかに先駆者であったのかがわかる。
昨日の記事では、改めて「そうだったのか」と思ったことがあった。

ドラッカーの有名な言葉に、
「企業の目的は顧客の創造である」
というものがある。

文字通り、「顧客が企業の中心である」ということを述べているのだが、
コトラーの紹介するところでは、この言葉の背景には、もう少し生々しいものがあった。

当時の経営者たちは、
「企業の目的は利益の創造である」
と考えていた。

これに対して、ドラッカーは「真っ向から」反対したのだった。
当時の常識に対して、まったく新しい見方を提示した。

ドラッカーの言葉の歴史的な背景は、今まであまり意識していなかった。
現在の時点からみて、「当たり前だ」と思ってしまっていた部分もあった…。

ドラッカーは、
「企業の基本機能は、マーケティングとイノベーションだ」
とも言っている。

時代の常識に真っ向から反対して、真の価値を提示するドラッカーは、
まさしく彼なりの「イノベーション」を行っていたのだと思える。

もう一度、確認しよう。

「利益の創造」よりも「顧客の創造」、
そのための「価値の創造」こそが企業の目的である。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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