社長のためのポーター競争戦略 その1-40 「ポーターからのアドバイス」

社長のためのポーター競争戦略 その1-40「ポーターからのアドバイス」

ここまで、多数乱戦業界での戦略対応を見てきた。

強く感じたのは、ポーターが多数乱戦業界になる原因に焦点をあてていることだ。

現在、多数乱戦となっているということは、業界のリーダーとなるような圧倒的な存在がいない業界だ。

そこには、何らかの「経済的理由」がある。

「経営的理由」ではなく、「経済的理由」だ。

逆に言うと、この業界は、現在のように「多数乱戦」である状態が一番「経済的に」合理性があるということになる。

地域的に分散し、個々のニーズにきめ細かく応えるという形態だ。

この状態を打ち破るための「唯一の解」などはない。

必要なのは、「多数乱戦の原因を取り除く方法を編み出す『才覚』と『創造性』」だ。

原因を徹底的に考え(分析し)、「道を見つけよ find ways」

業界の慣習や決まりきったものの見方、「どうせダメだよ」という諦め、

ちょっと待て、その前に、

「原因を徹底的に考えましたか?」

「そして、その原因を取り除く方法を考え抜きましたか?」

ポーターは、そう問いかけているように思える…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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