社長のためのポーター競争戦略 その1-36 「戦略の罠3」

社長のためのポーター競争戦略 その1-36 「戦略の罠3」

3)本社の過度の権限集中

多数乱戦業界で成功するには、仕事をつきっきりでこなすこと、現場でのきめ細かな対応、

多かったり少なかったりする仕事の波に対応する柔軟性、地元との結びつきなどが必要だ。

つまり、手馴れた現場のサービススタッフと彼らの高い意欲が欠かせない。

これを阻害するのが、権限の過度の本社集中だ。

拠点がバラバラに分散しているので、本社と現場のスタッフの顔合わせの機会も少ない。

お互いに「彼らは何を考えているんだ?!」ということになりかねない。

しかも、細かなところまで本社に「お伺い」をたてなければならないとなると…。

しかも、本社からの返事はいつまでも来ないという状況…。

これでは、優秀なスタッフは、次々と会社から去っていってしまう。

しかし、あまりにも現場に自由にやらせると、今度は、統制が取れなくなってしまう。

不公平も生まれ、不平不満も溜まってくる。

権限の分散と集中のバランスが難しい。

しかし、この業界での「本社への過度の権限集中」は、「罠 トラップ」になってしまうのだ…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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