社長のためのポーター競争戦略 その1-36 「戦略の罠3」
3)本社の過度の権限集中
多数乱戦業界で成功するには、仕事をつきっきりでこなすこと、現場でのきめ細かな対応、
多かったり少なかったりする仕事の波に対応する柔軟性、地元との結びつきなどが必要だ。
つまり、手馴れた現場のサービススタッフと彼らの高い意欲が欠かせない。
これを阻害するのが、権限の過度の本社集中だ。
拠点がバラバラに分散しているので、本社と現場のスタッフの顔合わせの機会も少ない。
お互いに「彼らは何を考えているんだ?!」ということになりかねない。
しかも、細かなところまで本社に「お伺い」をたてなければならないとなると…。
しかも、本社からの返事はいつまでも来ないという状況…。
これでは、優秀なスタッフは、次々と会社から去っていってしまう。
しかし、あまりにも現場に自由にやらせると、今度は、統制が取れなくなってしまう。
不公平も生まれ、不平不満も溜まってくる。
権限の分散と集中のバランスが難しい。
しかし、この業界での「本社への過度の権限集中」は、「罠 トラップ」になってしまうのだ…。