建設業界大手の大林組。
東京スカイツリーの建設で技術力を評価された。
さらに、これまでの業界の常識を変える画期的な技術を開発した。
「海水と海砂によるコンクリート」だ。
一瞬、目を疑うようなニュースだ。
これまで、コンクリートの砂に、洗浄していない海の砂を使ってはいけなかった。
もちろん、コンクリートを練るのも、真水でなくてはいけなかった。
海水など論外だった。
塩分が、コンクリートの中の鉄筋を腐食させ、弱めたり、膨張させたりして、
構造物をもろくさせてしまうからた。
この常識に挑戦し、海の砂を使い、海の水で練る技術を開発した。
普通の鉄筋は使わずに、樹脂を塗った鉄筋や炭素繊維の鉄筋を用いる。
コンクリートも普通のではなく高炉から出たスラグを使った(廃棄物の)コンクリートを使う。
真水を使ったものより、耐久性がいいという驚くような結果も出た。
砂を運搬する手間も、除塩する工程もなくなるので、震災の被災地や離島などでの護岸工事に
大きな役割を果たすものとして期待されている。
粘り強く、業界の常識に挑んで成功したプロジェクトに敬意を表したい。