黒沢明監督と同時代に活躍した木下恵介監督。
「二十四の瞳」、「喜びも悲しみも幾歳月」などの作品がある。
海外でも、ますます評価が高まっている。
国内でも、一昨年の大震災以降、木下監督の作品に惹きつけられる若者が多くなっている。
と先日のNHK番組でも紹介されていた。
木下作品で、登場する女たちは、「ひっきりなしに愚痴をこぼしている」という。
そうした愚痴に対して、また、映画の中の人物たちが、何気なく受け止めている。
つらい境遇や思い通りにいかないとき、悲しいときには、「愚痴」のひとつも出て不思議はない。
「愚痴」は、恥ずべきもの、「こぼしてはいけないもの」と建前では、考えられてきた。
しかし、社会の高まるストレスの中で(特に大震災の後の日本では)、「愚痴をこぼす」ことも必要だ。
不安や不満を吐き出せずに苦しむよりも、「つまらない愚痴」を言ったり、周囲がそれを普通に聞き流してあげることは、とても重要なことだと改めて感じた…。
「愚痴の力」は、大きい。