高校に入るときに愛読書の欄があり、そこに岡本太郎の「原色の呪文」と書いた覚えがある。
彼の絵よりも美術評論とその文章が好きだった。
岡本太郎は、「縄文」時代の土器の美や沖縄の文化をいち早く「発見」した人だ。
彼のこころを熱くする言葉。
壮絶な孤独の「旗がはためくような」詩も良かった。
「安易な道を選ぶな。つらい道を行け。つらい方の道を選べ。それが生きることだ」
「ぶつかれ。そこから負けるもんかというこころの底から生きるエネルギーが沸いてくるだろう」と語る。
彼の作品に「座ることを拒否する椅子」もあった(青山のアトリエ美術館に今もあると思う)。
今、安楽な椅子やベッドは心地よい。
しかし、時々「つらい道を行け」という言葉、「座ることを拒否する椅子」に示された
太郎さんの戦う姿勢(ファイティングポーズ)を思い出す。
登場したときは、「とんでもない」と思えた「太陽の塔」も今では(我々の美意識が追いついたのか)懐かしいものとなっている。
しかし太陽の塔は、「TARO」のように今も毅然として立っている。