「之を知る者は、之を好む者に如かず。
之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」
という有名な一節が論語の雍也(ようや)篇にある。
意味は、比較的明快で、「知る」より、「好む」、「好む」より「楽しむ」という学ぶことの段階を示しているのだと理解できる。
「こども論語塾」で教えている安岡定子さん(漢学者の松岡正篤氏のお孫さん)によると、
この章句は、子供たちに非常に人気があるということだ(雑誌「致知」9月号)。
「好む」とか、「楽しむ」とかという「論語」の堅苦しいと思われるイメージとは、まったく異なる「明るい」言葉が並んでいることも人気のあるところだ。
しかし、ちょっと意外な理由もあった・・・。
「之(これ)」という字が、「四つ並んでいる」ところだ。
読んでみるとリズムも面白い。
「之って何?」という質問もあるという。
ごく素朴な質問だが、これには、ドキリとさせられる。
「之」の中に、何を入れるのかによって、その人の生き方も出てきそうだ。
「知り」、「好み」、「楽しむ」ことは、それぞれ何だろう・・・?