成果を上げる「構造的」学習法とは・・・

新しい「パチオリファシリテーター」のおさらい会に出た。

新ファシリテーターは、ここ数ヶ月、「パチオリ」のノウハウを一生懸命に自分のものにしようと学んできた若い人だ。

「パチオリ」は、財務会計の「構造」を学ぶものだ。

その学習は、「構造的学習法」とも言える。

学習における「構造」については、J.S.ブルーナーの名著「教育の過程」(岩波書店刊)に述べられている。

ブルーナーは、認知心理学者。この本は、20世紀後半、世界で最も読まれている教育の本とも言われている。

1957年、ソビエト連邦は、アメリカに先駆けて突然、人類初の人工衛星「スプートニク」を、打ち上げ成功させた。これに、アメリカは大きなショックを受けて(スプートニクショック)、国の予算配分や仕事のやり方(プロジェクトマネジメント)、教育方法などいろいろな面の抜本的見直しをした。

「教育の過程」という本は、こうした中で、全米の科学者が教育の問題について話し合った会議のまとめだ。

世界各国の教育の近代化に大きな影響を与えた。

その中から、「構造」に関する文章をいくつかご紹介したい(以下引用)

・「教科の課程は、その教科の構造をつくりあげている根底にある原理について得られるもっとも基本的な理解によって決定されなければならない」

・「一般的原理を把握することができなかった学習は、知的興奮という報いを得ることはほとんどない」

・「知識を獲得しても、それを相互に結合するだけの十分な構造をもたなければ、その知識は忘れられがちなのである」

・「簡単に言えば、構造を学習するということは、どのように物事が関連しているかを学習することである」

・「どのような学習行為にしろ、その第一の目的は、学習によって得られる楽しさのうえに、なおそれが、

将来われわれにとって役立つということである。学習は、ただわれわれをどこかにつれてゆくだけでなくて、将来われわれを、より容易に遠いところへ行かせてくれるものでなければならない。」

(引用終わり)

どのような学習であれ、学ぶべきは、その根底にある根本的な「つながり」であるということだ。

「根本的なつながり」を知れば、それ自体が楽しく、応用も可能で、「さらに先へ」自分で行くことができるようにになる。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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