「船は、港にいる方が安全だ。
しかし、船はそのために作られたわけではない」
という言葉に出会った。
何か前へ進もうとすると、誰でも「不安」を感じる。
「不安」は、
「もし、大変なことが起きたら、自分は乗り切れないのではないか」
という恐れから生れる。
「嵐が来たら、飲み込まれてしまうだろう」
と考える船は、ずっと、港に留まり続ける。
「嵐が来ても、なんとか切り抜けよう」
と考える船は、港から出ていく。
その船は、嵐に出会い、命カラガラ帰ってくるのかもしれない。
しかし、何とか、嵐を切り抜けたのは事実だ。
「やってはいけないこと」も「やるべきこと」も学ぶことができた。
「ほら見ろ、だから港の外は危険だと言っただろ」という船を置いて、
また、航海へ出発。
港を出る船は、航海のたびに、新たな財宝を持ち帰った。
経験と勇気と自信という財産も大きくなっていった。
一方、港を出ない船は、
自分が「船」なのかどうかに自信を失っていった・・・。
自信を回復するためには、港を出てみると良い。
船は、前に進むようにできているし、
揺れてもめったに転覆しないようになっている。
何といっても、外洋を走る爽快感と言ったら…。
そして、海を渡ることこそ、船の目的だ。