「クレド」が泣く…リッツカールトン大阪

リッツカールトンは、世界を代表する高級ホテルとして、憧れを持って語られる存在だった。
また、そのサービスの哲学は、経営者にも注目されるものだった。

特に、会社の価値観を表わす「黄金の価値」という「クレド(信条)」は有名で、非常に印象的な一節もあった。

「私たちは、紳士淑女に奉仕する紳士淑女です
(We Are Ladeis and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen)」
というものだ。

「最高のお客様に相応しい最高の人間である」ということなのだろう。

しかし、リッツカールトン大阪では、7年間もメニュー表示とは異なるものを
「紳士淑女」に提供していたことが発覚してしまった…。

「くるまエビ」は、「ブラックタイガー」であり、「自家製パン」は、外から仕入れたものであり、「フレッシュジュース」は、「冷凍ジュース」だったそうだ…。

問題発覚後、総支配人は、連日、記者会見に追われている。

「食材が多すぎる日本固有の問題だ」?

「教育のミスだ」?

「昨年から知っていたい」、「いや7年前からだ」?

「食べた方にお金を払い戻すことで決着だ」?

問題発覚後のホテル側の対応が一段と失望を招いている。

あの「リッツカールトンの紳士淑女」ではないという失望感だ。

「おもてなし」は、何よりも「誠実さ」、「信頼」に基づいているということが忘れられていたのではないだろうか?

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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