「日本再生戦略」?大丈夫か?

野田内閣の「日本再生戦略」というものが、本日、閣議で決定される。

これからの7年間、2020年までの日本の長期戦略だ。

政府原案では、「グリーン成長戦略」、「ライフ成長戦略」、「科学技術イノベーション・情報通信戦略」、「中小企業戦略」、「金融戦略」、「食農再生戦略」などの勇ましい名前の11の戦略(分野)が並んでいる。

その下に、さらに38の「重点政策」が掲げられている。

その後、野党との調整で、環境・エネルギー、医療・福祉、農林漁業の3分野と、その担い手となる中小企業対策を4大プロジェクトとして位置づけることになったというが・・・。

「戦略」というのは、もともと、「略す」という言葉が入っているように、何かを捨てる決断をすることだ。

何もかも総てをやろうというのは、「総花的」と言って、「戦略」の名には当てはまらない。

企業で、このような「戦略」が外部へ発表されたとしたら、投資家は呆れてしまうだろう。

これは、各部門(省庁)の要求を集めた「カタログ」だ。

経営者はどにいるの?と。

戦略には、「カタログ」ではなく、統合的なストーリーがいる。

そして、その前に、ビジョンが必要だ。

国の未来の構想だ。

本来、政治家は、人々の声を汲み上げて、国の未来構想を掲げるべきものだし、そうして欲しい。

威勢のいい言葉や、賢くて、キレイな言葉が並んでいるだけの作文は、空虚で、かえって誰の心も動かさない。(そもそも「100兆円市場」を国が作ると言っても、それはムリではないか・・・?)

前の管内閣の「新成長戦略」というものも、結局、効果もなく、実施もされなかった項目が多々あったという。

思いつき的なもので、国の貴重なお金(税金)が浪費されるのは、耐えられない。

お金は、よく考えて投資効果のあるものに使ってもらいたいものだ。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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