「感覚のないところに知識は生れない」…アリストテレスとラーニングデザイン

知識や技術のベースに感覚がある。

また、感覚がないところに知識が生れない。

見ること、聴くこと、触れること、匂いを嗅ぐこと、味わうことという五つの感覚。

これらの感覚を通して、外界の情報が心に伝わる。

感覚とは、生れながらに備わったある種の判断能力だ。

感覚の内容が、心に残り、一つの経験となり、

普遍的な「あるもの」、これらの経験の「全体」について、

自分なりの認識と言葉が生まれる。

そんなことをアリストテレスは言っている…。

感覚のない知識はどこか弱弱しい。

どこか「自信」がない、自信が持てない借り物の知識だ。

一方、体験や経験に裏打ちされた知識は、強い。

そして謙虚でもある。

「感覚のないところに知識は生れない」ということは、「ラーニングデザイン」という学習・教育・成長理論の柱でもある。

「パチオリ」などのゲーム的なツールを扱うことで、抽象的な数字(経営計数)や言葉(ビジョン・ミッションなど)やシステム(貿易など)を具体的な手触り感という感覚を得ることができる。

結果を出す経験、ある世界を自らが変えたという経験が、知識に対する自信を生む。

知識を得るのみならず、自分もまた変化するという経験を得ることになる。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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