人を説得するためには、エトス(人間性)、すなわち「徳」を持っている人と判断されることが必要だ。
「徳」とは何だろうか?
「徳とは、人に益をもたらす能力である」(1366b 「弁論術」)
「徳は、よいものをもたらし、それを保つ力、数多くの、また大きな益を、
いつでもどんな形でももたらすことができる能力」だ。
「正義」という徳は、人に公正という益をもたらす。
「勇気」という徳は、危機に際して、立派な行動という益をもたらす。
「気前」がいいという徳は、金銭に関して、他人に良くしてやるという益をもたらす…等。
アリストテレスの「徳」の定義は、抽象的ではなく、現実的であると思える。
「徳」の特徴、「徳」のもたらすものには、ある特徴がある。
それについては、明日、ご紹介しよう。