仕事にやりがいや満足感を感じるのは、どんな場合だろうか・・・?
不満を感じるのは・・・?
給料は、高ければ高いほど、満足感を生むのか・・・?
逆に、給料が低ければ、決して「やる気」は起こらないのか・・・?
こんな疑問に明確に答えるのが、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーツバーグによる「動機づけ」に関する理論(1966年)だ。
ハーツバーグは、仕事が人間に「満足をもたらす要因 x(エックス)」と、「不満を感じる要因 y(ワイ)」は、「異なるもの」であることを示した。
二つの要因がある。
「不満を感じる要因 y」とは、
会社の方針、管理、上司との関係、労働条件、賃金、同僚との関係
などの環境要因だ。
これらが良くない場合、不満が高まる。
「満足をもたらす要因 x」とは、
達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長
などの心理的要因だ。
これらが多いほど、満足感を感じ、やる気が高まる。
ハーツバーグは、この要因を会計士や牧師など様々な職業の人に対する調査から導き出した。
「不満を感じる要因 y」は、「衛生要因」とも呼ばれる。
「衛生状態」の「衛生」だ。
環境は、「良くて当たり前」。
どんなに良くなっても、満足度が高まるわけではない。
しかし、衛生状態が悪ければ、不満が高まる。
「給与」も「衛生要因」の一つだった。
給与が少ないと不満は高まる。
しかし、給与が増えるほど満足度が高まるか、と言えばそうとは言えない。
満足感を高めるには、「満足をもたらす要因」、「モチベーションを高める要因 x」が必要だ。
仕事そのものによる達成感、自尊と承認の欲求が満たされること、
責任や成長の感覚だ。
現実でも思い当たることの多い重要な理論だと思う。
達成感や承認、責任、成長の機会など、仕事の満足感を高める要因により多くの注意を払っていきたい・・・。