「ブリーフセラピー」は、「内面」ではなく、「関係」に注目する

一般に心理学では、個人の複雑な心の内面を対象としている。

個人の内面については、その動機として、いろいろな仮説がある。
重要な動機として、「性的なもの」、「権力への欲求」、「自尊心」などが思い出される。

一方、ブリーフセラピーでは、心理学のように、個人の複雑な内面に原因やプロセスを仮定したり、推察したりしない。

「関係」を見るのだ。

個人の内面というより、個人と個人の関係、個人と家族の関係、個人と集団の関係など、
まさしく「人間関係」に焦点を当ててていく。

ここでは、「社会(他の人)と切り離された人間」を想定していない。
個人をより大きな視点で包んでいるものとの関係でみていく。

さて、「関係」は、具体的には、情報のやり取りである「コミュニケーション」に表れる。
また反対に、「コミュニケーション」によって、「関係」が決まる。

一般心理学が、個人の内面に関する仮説や説明で成り立つのに対して、
ブリーフセラピーでは、個人をより大きな視点で(もうひとつ大きいなシステムの一部として)捉えて、「関係」を表わす「コミュニケ―ション」を注視する。

だからこそ、ブリーフセラピーの過程でも、「言語によるコミュニケーション」を駆使することで、「治療」を行うということになる…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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