ドラッカー イノベーションの第三の機会

仕事の中で、どこかに「欠けているもの」が見つかる。
「欠けているもの」が、明確であればあるほど、それは、「イノベーション」を要求する。
これが、イノベーションの第三の機会だ。

薬の開発は、その典型だ。

エーザイの主力商品に「アリセプト」という薬がある。
かなり長い期間、唯一のアルツハイマー型認知症治療剤として使われ、今でも国内だけでなく、海外でも大きな市場占有率を持っている。

「アリセプト」の開発には、認知症の進行を止めるという明確な課題があった。

工業高校卒業で、本当は、「詩人」になりたかったという異色の社員、杉本八郎氏(現京都大学客員教授)たちが、この課題に挑んで、新しい化合物の合成に成功した。

これには、15年の歳月と数百億円の費用がかかったという…。

ニーズは、イノベーションの機会だ。
しかし、薬の開発のような分野では、挑戦しても成功確率は、本当に僅かなものだ。

杉本さんも言うように、
イノベーションの機会を捉え、イノベーションを実現するには、
「ふとした偶然をきっかけにひらめきを得て、幸運を掴み取る能力」、
「セレンディピティー」も必要になる…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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