組織において「人を助けるとはどういうことか」…エドガー・シャイン

人を助けるということは、組織活動においても重要なことだ。

経営組織論のエドガー・シャインは、「人を助けるとはどういうことか」という本の中で分析している。

重要というよりも、「助ける」ということは、チームワークの本質だと言う。

「チームワークの本質とは、すべてのメンバーにおける相互の支援を発達させ、持続させるということ」

「成果をあげるチームとは、

各メンバーが自分の役割を適切に果たすことによって、

ほかのメンバーを助けているチームだ

と定義できるだろう」

自分が役割を果たすことで、他のメンバーを助ける。

チームワークとは、お互いに支え合うことだ。

さて、組織の活動の中で、ときには、1対1で「助ける」という状況もある。

上司の部下への指導などの場面だ。

シャインは、支援される側の感情に注目する。

感情的、社会的に見れば、支援を求めた場合、人は『一段低い位置(One Down)』に身を置くことになる」

 

感情的には、支援する人は、「一段上」、支援される人は、「一段下」という位置になってしまう。

それにより、助けを求める側には「感情的な反応を引き起こす、落ち着かなくて不安な状況が生まれる」

 

言わば、「支援される」という「負い目」である。

これでは、せっかくの支援も逆の効果を招きかねない。

 

どうしたらいいのか…?

シャインは、いくつかの解決方向を提案している。

 

例えば、

1)「支援される側」に主導権を握らせ続け、自分のために問題を能動的に解決する立場を取り戻せるようにする

2)ある程度まで自分のジレンマを自力で解決できるという自信を与える

などだ。

 

こうしたことをスムーズに行われるようにするのが、「ラーニングデザイン」のツールだ…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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