ピーター・ドラッカー「経営者にとっての最も重要な質問」 その2
「我々の顧客は誰か?」
価値を提供する相手が決まらなければ、何を提供していいかもわからない。
顧客を知るためには、先ず誰が顧客かを決めなければならない。
マーケティングのフィリップ・コトラーは、ある例を示している。
家で、自動車を買うことにした。
誰が、自動車販売店にとって、「顧客」なのだろうか?
家族の友人が、ある自動車のスタイルと性能について、褒めた。
10代の息子が、購入すべき車種について、自己の意見を述べた。
妻が決定した。
夫は支払った…。
購買が決まる過程の、
人々の役割と好みを理解し、
「決定に最も大きな影響を与える人間」に、
自社の経営資源を投入すべきだとコトラーは述べる。
このように「買う人」が、「決める人」でもなく、「使う人」でもない場合もある。
「顧客を決める」のは、案外難しいことだ…。