複写機のリコー。
2013年3月までの連結業績は、売上高が前年比1.1%増の1兆9200億円になった。
営業利益は、前年度の180億円の赤字から634億円の黒字に、
当期純利益は前年度の445億円の赤字から、324億円の最終黒字となった。
V字回復だ。
「画像とソリューション(複写機関連)事業」という大黒柱の利益率をあげることができたことが大きい。
今年度が最終年度の中期経営計画は、黒字化のための構造改革が主テーマだった。
なんとか、黒字には持ってきたというところだ。
今年の秋に策定される新たな中期計画(第18次)で、新しい成長の方向性を出さなければならない。
伝統的な複写機のビジネスモデルは、リコーだけでなく、富士ゼロックスやキャノンも含めて、通用しにくくなっている。
そもそも、スマホやタブレットの普及で、紙で出力するということが少なくなっている。
紙の出力に依存するビジネスモデルが難しくなっている(海外では、これから紙出力が増えるところもあるが…)。
リコーは、ITサービス会社化する方向へさらに進もうとしている。
リコーの複合機は、中小企業でのシェアはかなり高い。
この複合機を起点に、中小企業の社内ネットワークやクラウド利用へのサポートを進めることができる有利な立場にある。
中小企業で多く利用されている Windows XPのサポート終了まで、1年を切っている。
更新に頭を痛めている企業や団体も多い。
こうしたニーズに取り組めるチャンスも多い。
この春に誕生した新経営陣の示すビジョンと、新たなビジネスモデル、そして従業員の意識改革が今後の真のV字回復成功のキーとなりそうだ。