ジャパネットたかた 高田明社長とエリヤフ・ゴールドラット

今週、日本経済新聞の夕刊には、「ジャパネットたかた」の高田明社長の「こころの玉手箱」という

連載がある。

同じ新聞の朝刊には、「私の履歴書」という欄があり、年代を追って人生を振り返る形であるが、夕刊の方は、これまでの歩みの中で、「こころに残っていること」というような内容になっている。

それだけに、それぞれの「本音」に近い部分がうかがわれて興味深い。

昨日は、「ザ・ゴール」などのエリヤフ・ゴールドラット(イスラエルの物理学者・経営コンサルタント)の著作を何度も読み返してきたということが書かれていた。

製造業の革新を描いた「ザ・ゴール」と高田社長のイメージがすぐには結びつかずちょっと意外な感じがした。

(ゴールドラットについては、ちょうど私も数日前に、ある人に「ドラム・バッファ・ロープ理論=太っちょのボーイスカウトの行進」について話をしたばかりだった…)

一代で年商1000億円の通販会社を築いた高田社長。

ゴールドラットの「制約理論」に共鳴するのは、「トップが仕事を本当に重要なことに絞ること」と言う。

「何をやらないかが重要」という点だ。

高田明氏が42歳の1990年。

大きな転機が訪れた。

たまたま誘われて出演した地元ラジオ局の通販番組。

5分間喋っただけで、50台のカメラが瞬く間に売れた。

数カ月分の売り上げだった。

通販会社の誕生だ。

それから、全国のラジオ局に売り込み、その実績をもとにテレビ局を回った。

今では、毎日どこかのメディアで、あの声と姿を見ることになる。

「社長の仕事は、テレビカメラの前に立つこと」と言う。

「商品によって生活を具体的に変えていく」という情熱と信念が、共感を呼んでいる。

「何をしないか」、これが重要である。

それによって、「何をするべきか」も判然とする。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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