「経営者の役割」 バーナード (3) ケネス・アンドリュースの序言をベースにしたガイダンス2
人間は、個人では達成できない目的、個人にとっては大きすぎる目的を持ってしまうことがある。
その大きな目的を達成したいという欲求を持ってしまうのもまた人間の本性だ。
その時に、「協働」というものが生まれる。
一人ではなく多くの人と共に力を合わせて目的を達成するという行動だ。
考えてみれば、人類の進歩は(もちろん多くの天才が素晴らしい着想、アイデアをもたらしたことも否めないが)、この「協働」によってもたらされたものだ。
また、現代の社会システムもまた「協働」によって、維持されている。
そして、「協働」は、「システム」になる。
「システム」は、動かないものではなく、不断に変化するものだ。
他の個人が参加することで、生物的に、心理的に、社会的に結びつき、変化する。
バーナードの組織論は、この「システム」という概念をもたらしたことで、決定的に「近代的」となった。