社長のためのポーター競争戦略 その1-22 「原因を経営から切り離す」-多数乱戦業界で生き抜く
分割されている業界をまとめあげていくにはどうしたらいいのか?
ポーターは5つの方法を挙げている。
その3 「多数乱戦となっている原因を経営から切り離す」
ポーターは言う。
「まず、多数乱戦になっている原因は、取り除けないと認めよ」
「次に、その原因が経営に及ぼす影響を断ち切る戦略を取れ」
それに成功したのが、
ファーストフードでは、マクドナルド、ピザ・ハットなど。
不動産斡旋業のセンチュリー21。
ポーターは、面白い例も挙げている。
キャンプ場経営のKOAという会社だ。
これらは、キメ細かいサービスが必要で、
幹線道路沿いなど多くの小規模の拠点も必要だ。
これが、乱戦となる主原因だ。
これは、認めざるをえない。
しかし、知名度を上げるマーケティング活動や仕入の面では、
規模の経済性が活かせる。
原因を認めた上で、経営から切り離す方法とは…?
「フランチャイズ制」だ。
オーナーはそのままに、全国規模のフランチャイズに加盟し、
小規模のメリットと、大規模のメリットを得られるというわけだ…。
セブンイレブンなどのコンビニの成功も、このシステムによるものが大きかった。
当初は、町の酒屋さんがコンビニに転換した。
少し違うが、ヤマト運輸の宅急便でも、家庭からの荷物の拠点として、
米屋さんが大きな力になった。
キメ細かいサービスと規模の経済性をどう両立させるか、
知恵の絞りどころだ…。