社長のためのポーター競争戦略 その1-19  「構造変化の例」-多数乱戦業界で生き抜く

ここまで、多数乱戦になる経済的原因を見てきた(1-1から1-18まで)。

ここからは、この多数乱戦を克服する方法を考えていくことになる。

多数乱戦の業界は、統合を妨げている原因が取り除かれると、

業界全体が大きく変化してしまう。

アイオワ・ビーフ社(現在はタイソン)。

アメリカの肉牛業界の例だ。

従来は、小規模の牧場が多数あった。

多数の肉牛を飼うと、

水場と餌を求めて大群を移動させなければならなかった。

したがって、規模を大きくするメリットがなかった。

しかし、フィードロット法という大規模肥育方法が開発された。

1万頭以上の肉牛を囲い込んで、集中的に高カロリー飼料を与える方法だ。

この方法によって、規模の利益が生まれ、大手業者に集中化していった。

多数乱戦の業界だったが、寡占業界に変化したのだ。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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