丸の内のアリババとラオックス

昨夜は、久しぶりに丸の内の「ローマの市場にて」に出席。

これは、産業革新機構の「オープンイノベーションプラットフォーム」としての研究会です。

毎回、ベンチャー企業を中心とした企業のプレゼンテーションがあります。

今年の2月から20名ほどで始まりましたが、昨夜は80名近い参加者になっていました。

毎回、会場に溢れる程の参加者で熱気で一杯となることもあって、この2回ほどは、休んでいました。

昨夜は、格段に広くなった会場で、ヤフーが出資している企業「アリババ」日本法人の香山社長と秋葉原の電器店「ラオックス」をM&Aしたラー社長などの話などがありました。

一方は、中国発のインターネット企業で、中国だけでなく世界の企業間の取引(BtoB)を繋いでいこうという企業。

もう一方は、日本の家電量販店を中国のグループが買収した例でした。

アリババという企業は、まだ日本では知名度は高くありませんが、大変な成長力と将来性のある企業だなと感じました。インターネットの決済においても、日本でよく知られるようになった「銀聯カード」を越える取扱高を持っているようでした。

ラオックスのラー社長は、日本語も上手な方で、危機に瀕していたラオックスを新たな視点で懸命に再生されている真最中です。この時期は、国慶節の中国からの観光客で相当な人気だそうです。

新たな店舗も上海にも出店し、今後は、日本にも中国にも展開していくようでした。ちなみにラオックスをM&Aした

蘇寧電器は、中国最大級の家電量販店で、13万人の従業員がいるとか・・・。

ヤフーでは、孫社長以下、30年先を見て投資をしていっているという話が、香山社長からありました。

これから30年後の2040年には、日本の人口、特に生産人口が30%減の5700万人、それに伴い、GDPも380兆円ほどになるという予測で考えているということでした。

これに対する中国やインド、その他のアジア各国の成長は、爆発的なものと捉えることができます。

ラオックスのラー社長は、日本の「アジア内」での位置づけによる大きな可能性を何度も強調されていました。

ラオックスの従業員の人たちも中国とのテレビ会議や中国でのイベントに参加することによって、次第にそうしたラー社長のビジョンを理解してきてもらっているということでした。

我々日本人は、これからは、「国内(こちら側)」と「海外(あちら側)」(「ウチ」と「ソト」)という言葉で考えることもやめる必要があるのではないかと思います。

日本は、「世界の中に」、また「アジア内にいる」、という考えで、物事を判断していかないと、縮小していく小さな市場の中で悲嘆にくれてしまうことになりかねません。アジアの爆発的成長という現実を認めた上での意識の転換が必要だと思いました。

そして、

研究会後の飲み会も大いに盛り上がりました・・・。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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