「アイスバッテリー」 という物流の革新的システムが、製薬業界、農水産物業界などでも注目されている。
アイ・ティ・イー株式会社という日本のベンチャー企業(社長はインドの方)が開発したもの。
電気を使わない保冷システムだ。
保冷車、ドライアイスが必要なくなってしまう。
「アイスバッテリー」とは、宇宙航空技術から生まれた「ジェル」を小さなプレート(板)にしたもの。
このプレートは、すぐれた「温度の記憶力」を持っている。
一度設定された温度(-20℃から+8℃の範囲)を最長120時間、一定に保持できるのだ。
例えば、ワクチンなどの薬は、品質を維持するために、輸送の際、5℃±3℃の範囲で温度を保つ必要がある。
そこで、5℃に記憶させたアイスバッテリーを用意。
プレートをカバンのような輸送用ボックスに入れる。
すると、このボックスは、120時間の間、アイスバッテリーで、温度が5℃に維持される。
この冷温ボックスで、薬を輸送できる。
実際に日本航空JALが、このサービスを開始した。
電気も使わず、ドライアイスのようにCO2も排出しない。
冷蔵庫に入れて冷やせば、また使える。
2000回以上使えるようだ…。
大変な技術だ。
レンタルで、費用も高くはない。
農水産物の輸送にも使えるだろうし、他にもいろいろな分野で使われる可能性がありそうだ…。