非営利組織のマーケティングとマネジメント

先日、欧州で活動している非営利組織の方の話を聞いた。

環境分野の数百万人の会員を有する巨大組織だ。

この組織は、基本的に国の補助金、助成金には頼らないという姿勢を持っている。

収入は、会員からの会費が主たるものとなっている。

会員からの会費がなければ、すべての活動が停止してしまう。

そのために、マーケティングとマネジメントを非常に重視している。

組織では、常に会員の満足度を調査し、満足度の数値を1ポイントでも上げるために何をすべきか検討し、すぐに実行に移している。

また対象となる社会層を絞り込んで、無理な会員の拡大はしていない。

対象以外の人が会員となると、組織のミッション、主たる活動を実行するのに障害となるからだ。

一方、組織の存続を図るために、若い世代へ積極的にアプローチしている。

組織のシンボルカラーやロゴも若返らせている。

ピーター・ドラッカーは、「非営利組織こそマーケティングとマネジメントが必要だ」と述べていた。

組織が、行政などに依存しないで、自律的に活動していくためには、自らのマーケティングとマネジメントが必要だと改めて感じた。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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