純資産のうちの株主資本は、
1 資本金
2 資本剰余金
3 利益剰余金
4 自己株式などによって構成されている。
株主によって出資された資本金と利益の蓄積である利益剰余金が主要なものだ。
経営分析では、この純資産は、多いほど良い。
純資産は自己資本と同じ意味で、他人資本(負債)と違って返済の義務がない。
したがって、総資産に対してこの自己資本の比率が高いほど、企業の財務的な安全性が高く、経営が安定しているとみることができる。
また、純資産は、株などの投資判断指標の一つにもなる。
時折、「PBR 一倍割れを狙え」などと新聞、雑誌に書かれている場合がある。
この「PBR」は、「株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)の略称」のことだ。
この指標は、「株価」を「1株当たり純資産」で除したもので、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているのかを示すもの。
利益というフローではなく、純資産というストックに注目した指標だ。
本来なら、「一倍」以上になるはずなので、「一倍割れ」は、割安な株価という意味になる。
「純資産」の理解は、企業の財務会計の理解の一つの鍵となる。