怒り、憎しみ、不安などの「ネガティブな感情」は、人に危険や不快なことを知らせる。
こうした感情は、「すぐにこの場を離れた方がいい」という指示になり、避難行動に結びつく。
「ネガティブ感情」は、危険な状況から逃れ、「人間の生存」に役立つ感情なのはわかる。
大切な感情だから人間の進化の過程でも消える必要もなかった。
それでは、もう一つの感情は…?
「いい気分」の「ポジティブ感情」は、何に役立つのか
と疑問を持った人がいた。
ポジティブ心理学の俊英 バーバラ・フレドリクソン博士だ。
彼女が研究してたどり着いた答えは…
「ポジティブ感情は、長期的に(生存に)役立つ」ということだ。
喜び、安らぎ、愉快、興味、希望、誇りなどのポジティブな感情は、「心を広げる」。
関心が広がり、視野も広がり、多くの可能性やリソースが手に入る。
「いい気分」であれば、他人とも良い関係を持つことが出来る。
人が学ぶのも、リラックスして、外界に興味を持ったときだ。
学びによって、自己を変えるのも「心の余裕」があってこそだ。
そして、ポジティブな感情(ポジティビティ)が多いほど、「困難な状況から立ち直る力(レジリエンス)」が増える。
博士の研究は、「ポジティビティ」は、我々にとって、重要な役割があるということを鮮やかに示している。
そして、それぞれの人の「幸福」こそが、人生の価値になるだろう。