「ネガティブ感情」の役割と「いい気分」 「ポジティブ感情」の役割

怒り、憎しみ、不安などの「ネガティブな感情」は、人に危険や不快なことを知らせる。

こうした感情は、「すぐにこの場を離れた方がいい」という指示になり、避難行動に結びつく。

「ネガティブ感情」は、危険な状況から逃れ、「人間の生存」に役立つ感情なのはわかる。

大切な感情だから人間の進化の過程でも消える必要もなかった。

それでは、もう一つの感情は…?

「いい気分」の「ポジティブ感情」は、何に役立つのか

と疑問を持った人がいた。

ポジティブ心理学の俊英 バーバラ・フレドリクソン博士だ。

彼女が研究してたどり着いた答えは…

「ポジティブ感情は、長期的に(生存に)役立つ」ということだ。

喜び、安らぎ、愉快、興味、希望、誇りなどのポジティブな感情は、「心を広げる」。

関心が広がり、視野も広がり、多くの可能性やリソースが手に入る。

「いい気分」であれば、他人とも良い関係を持つことが出来る。

人が学ぶのも、リラックスして、外界に興味を持ったときだ。

学びによって、自己を変えるのも「心の余裕」があってこそだ。

そして、ポジティブな感情(ポジティビティ)が多いほど、「困難な状況から立ち直る力(レジリエンス)」が増える。

博士の研究は、「ポジティビティ」は、我々にとって、重要な役割があるということを鮮やかに示している。

そして、それぞれの人の「幸福」こそが、人生の価値になるだろう。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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