8兆円の売上高を支える「P&G」の「イノベーション・レビュー」

洗剤、紙おむつ、化粧品などの日用品メーカーの巨人、「P&G」。

創立から175年を経て世界企業としてさらに成長し続けている。

売上高は、日本円で約8兆円。

この規模でも、毎年5%の成長を果たしている。

売上高4000億円の企業が、毎年新たに1社生まれていることになる。

この成長を支えているのが、マーケティングとイノベーションだ。

あるいは、マーケティング視点のイノベーションの徹底と言った方がいいのかもしれない。

1万人近い研究者と1600億円の研究開発費を投じているに関わらず、自社の研究だけでなく、社外の全世界のアイデアと結びつける「オープンイノベーション(コネクト&デベロップ)」戦略は有名だ。

最近では、さらに「破壊的イノベーション」を進める組織体制も進めている。

「破壊的イノベーション」とは、「漸進的な、少しずつ進めるようなイノベーション」ではない。

CEOのボブ・マグドナルド氏は、次のように述べている(日経新聞の記事より)。

「あらゆる事業分野において、今のビジネスを全く古いものにするために何をしているのかを問う。これが『イノベーション・レビュー』だ」

イノベーションを組織的に、また徹底的に進めるしくみをつくり、「破壊的イノベーション」のマネジメントサイクル」さえ回している。

P&Gという企業が、恐ろしいほどに強力なマネジメントの力を持っていることがわかる。

不振が浮き彫りになっている日本の企業。

「今のビジネスを全く古いものにする破壊的イノベーション」

をマネジメントできる組織と風土を創るべきではないだろうか…。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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