海運業界が苦境に陥っている。
現在、船を動かせば動かすほど赤字が大きくなってしまうという状態だ。
鉄鉱石などを運ぶ船。
1日の運航コストは、約2万ドル(160万円)ほどだ。
しかし、現在、運賃としてもらえるのが、その七分の一の3千ドル(24万円)の時もある…。
供給が過剰で、需要が少なくなっているからだ。
2008年のリーマンショック直前、海運業界は絶好調だった。
1日の運賃が、20万ドルにもなった時があった。
日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社は、08年3月期にそろって過去最高の利益を計上した。
この時、世界の船主たちは、こぞって新しい船の建造を発注した。
今、2008年に発注された新しい船が、続々と、完成してきている。
供給の過剰だ。
一方、中国などの需要も一時ほどの勢いがない。
大手海運会社では、市況を回復させようと船を数を減らそうと努力している。
船を停止させたり、解体を進めたりしている。
また需要が増えているLNG船や自動車輸送船で何とか乗り切ろうとしている。
海運は、日本経済の大動脈でもある。
海運業界の今後の推移に注目したい。