IFRSと「金持ち父さん」

 皆さん、こんにちわ。

 まだまだ暑さは続きそうですね。

 IFRSのボードゲームを来週リリースすることになりましたが、「IFRSの本質」ということを考えていくと

ロバート・キヨサキ氏のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」(2000年発売)を思い起こします。

皆さんもご存知かと思いますが、彼は、この本で、「早く労働の世界から抜け出して資産運用の世界に行った方がいいんだよ」ということを言っていた(金持ち父さんの言葉として)かと思います。

本の中では、それをB/SとP/Lを縦に並べた図(私どもで言う「パチオリ図」にほぼ近いもの)で説明していましたが・・・。

IFRSというヨーロッパ生まれの「国際財務報告書基準」は、企業を取り巻くステークホルダーの中でも、投資家に最優先順位を置いて、情報を開示するものと言われています。

つまりヨーロッパのお金持ちですね。

もちろん、現在では、ヨーロッパだけでなく世界のお金持ち(投資家)のための情報開示ということになります。

お金持ちだけでなく、世界のサラリーマンや公務員、学校の先生も、老後の生活を支える年金の運用をそれぞれの退職者年金などに託していて、それもある意味では、「お金持ち」の発想で運用していますね。

お金持ちの発想とは、まさしくロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん」が言うように、単純にすると「(何であれ)資産を増やしていく」ということに尽きるのではないかと思います(社会性などの議論をひとまず置くとすると)。

我々日本の製造業を中心とした「労働」で仕事をしてきた社会では、この「金持ち父さん」の発想の基本のところが納得がいきにくいのではないでしょうか?

これまで、「損益計算書」(パチオリ図では下の部分)から利益を計算し、結果として、「貸借対照表」(パチオリ図では上の部分)に利益を積み重ねてきたというイメージだったのではないでしょうか。実務もそうのように処理されてきたと思います。

しかし、IFRSでは(これは、シート上でやってみるとよくわかるのですが)、順番が逆ですね。

まず、「財政状態計算書(旧 貸借対照表)」から作っていく・・・。

次に包括利益の内訳として「包括利益計算書」でフォローしていく・・・。

そして、すべてが「キャッシュフロー」で裏付けられる。

という順番です。

順番が逆ということは、発想が逆ということも言えます。

では、我々は、この発想を身につけられるのか・・・?

我々も実際は、「資産大国」の国にいます。

目に見えない資産(強み)、知的資産、感性資産、歴史資産、自然資産、社会資産など多くの資産があります。

こうした資産をフルに生かして、社会的成果をあげていくことができる、つまり「金持ち父さん」の発想は、できるものと考えています。

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この記事を書いた人

 劇作家の井上ひさしさんの「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを楽しく」という言葉が好きです。さらに付け加えるとすれば、「そしてシンプルに」となると思います。
 松下幸之助さんの「経営とは、生きた総合芸術である」という言葉をラーニングデザインによって研究して、お届けしています。
 著書「直観でわかる経理のしくみ」(新版)、「直観でわかる人事のしくみ」(共著)いずれも東洋経済新報社刊など。
 経営ラーニングデザイナー。公益財団法人日本生産性本部認定経営コンサルタント。価値創造研究所所長。㈱ラーニングデザイン・アソシエーション会長。社内研修プログラム「ワールドフェイマスプログラム」開発責任者。

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