高校野球などでの「選手宣誓」。
「正々堂々と戦うことを誓います」というフレーズがよく使われる。
この「正々堂々」とは、中国の古典「孫子」から出ていることはあまり知られていない。
元々は、「正正の旗」、「堂堂の陣」と、二つの単語として使われている(孫子「軍争篇」)。
「旗が正正としている」…旗が乱れずに行進している
「陣が堂堂としている」…大きな建物のようにしっかりした構えの軍隊
そして、孫子が言いたかったことは、実は…
「正正の旗」の軍隊を迎え撃ってはいけない。
「堂堂の陣」の軍隊を攻めてはいけない。
ということだ。
なぜなら、こうした「正正堂堂」の敵と戦うと「負ける」からである…。
「孫子」は、「勝つ」ことよりも、「どうしたら負けないか」を説いている。
「正正の旗」は、さらに「正しい戦の目的」とも解釈できる。
いわゆる「錦の御旗」である。
「錦の御旗」を持った方が、「大義」があるとみなされる。
現代の経営で言えば、「旗」とは、「ビジョン」、「ミッション」にあたる。
組織が高く掲げる「旗」、「ビジョン」・「ミッション」が、広く社会の賛同を得られるものなのか…?
周りから応援したいと思われるものなのか…?
「私利私欲」で掲げる「旗」は、「正正の旗」と認められることはないだろう。
それは、戦いにおいて決して強いとは言えない集団である。