「鬼手仏心(きしゅぶっしん)」という言葉がある。
文字通り、「鬼の手のようであるが、仏の心を持っている」という意味だ。
外科医が手術をする時、患者の体を切り開く。
その様は、鬼のように残酷に見える。
しかし、執刀するその心には、患者を救いたいという仏のような慈悲心がある…。
「鬼」には、「鬼才」のように「人並みはずれて優れた」という意味もある。
また「鬼」という語には、「優れた技術」という意味も感じる。
「迷いがない」、「断行する」という感じもあるように思う。
プロフェッショナルとしての高い技術と、あくまで「人のため」を思う慈悲に溢れた心。
「鬼手仏心」。
優れた技術があっても、人間性を尊重した「仏心」に基づいているものであるのか、常に確認したい…。