フランス大統領選挙で、現職のサルコジ大統領がやや不利という結果が出ている。
このサルコジ政権の(ミッテラン大統領の時にも)ブレーンで、経済思想家でもあり、「ヨーロッパの知性」とも言われる人がジャック・アタリだ。
そのジャック・アタリが、日曜日(22日)の毎日新聞の朝刊で、「世界のソマリア化」という記事を寄稿している。
国境を超えるグローバル市場主義は、国家の手には負えず、世界は、15年間、無政府状態が続く「ソマリア」のようになる危険性があるという。
これを克服するためには、国連とG20とIMFを合体させたような機関をつくるということを提案している。
世界政府への第一歩だ。
彼が指摘するように、市場に対する反応は、経済の方が政治よりずっと早い。民主主義は、どうしても対応に時間がかかる。ここに危機がある。
現実的に世界政府が必要な時が近づいている。問題は、どのように民主主義を確保できるかだろう。
東西ドイツを統合させ、自らの発案した欧州復興開発銀行の初代総裁を務め、「リーマンショック」を予言し、
はたまた情報ガジェット(「Iphone」?)の出現までを予言していた、このジャック・アタリの指し示す方向は重い。